お店の差別化

1.花屋は競争にさらされるー差別化の必要性

 

花が売れる立地ですと、花屋は多いです。

例えば、新橋で飲み屋をすると、他の飲み屋さんが、

100軒以上ありますね。

どうしても、我がほうに来てもらうには、

自分の店に、来てもらえる理由がなければならない。

飲み屋さん、食べ物屋さんの場合には、

普通は、ターゲットを絞りますよね。

イタリアンなのか、日本料理なのか、

ステーキ屋なのか、ラーメン屋なのか。

花の場合は、普通の街場ならば、そんなに極端に

ターゲットは絞れない。

八王子や立川など、比較的大きな街でも、

花束専門とか、園芸専門とか絞り過ぎると、

春夏秋冬、1月から12月の、様々な大きなモチベーションに対して、

取りこぼしが多くなります。

それでも、特徴を持たないと、A店でもB店でも、

対して変わらないとすれば、近いところに住んでいる人しか

来てくれない店になる。

絶対に負けない、必ず我がほうに来てもらえる、

差別化の戦略が必要である。

 

2.日本フラワーの差別化戦略ー胡蝶蘭

日本フラワーの、一番の差別化は、胡蝶蘭です。

八王子は、非常に事業所の多い町です。

戦国時代から、八王子城があり、北条の城下町。

北条が豊臣に敗れ、その後は徳川の直轄領となる。

甲州街道が整備され、江戸時代も宿場町として栄える。

江戸、明治、大正、昭和と、日本有数の絹織物の産地。

イギリスの産業革命のように、市民が資本蓄積されている。

元は、絹織物。

形は変わって、様々な事業体、個人事業体となっています。

歴史的には、そういうことなんですが、

開店する前に、街をてくてく歩いていると、本当に自然に事業所が多い。

事業をしている人は、個人に比べると、お仕えもの、お祝いなどが多い。

事業している人のお仕えものの一つの定番は、胡蝶蘭です。

それで、日本フラワーを、8年前に開店する時に、

胡蝶蘭を、一つの差別化の柱にしようと考えました。

店内の壁側には、胡蝶蘭の棚を張り巡らし、

最大100ハイの胡蝶蘭を置けるようにしました。

実は、最初から胡蝶蘭は大当たりしました。

普通の花屋さんは、コチョウランを置かないか、

ギフトシーズンだけ置くか、置いても2~5ぐらい。

その数だと、中々、お客様の希望に応えられません。

日本フラワーは、最初から50から100置きましたので、

お客様の度肝を抜きました。

これって、花屋でも、いきなり都内ナンバーワンです。

普通の花屋さんは、ロスを気にして、多く仕入れようとしません。

日本フラワーは、今では胡蝶蘭では、超有名になりました。

八王子以外に、東京都区部からの注文、周辺市からも、

コチョウランを求めて来られます。

神奈川県、山梨県からも買いに来られます。

なんせ、八王子の北口の花屋と、

立川の北口の花屋の胡蝶蘭すべて集めても、

日本フラワーの胡蝶蘭に数に及びません。

価格も、断然日本フラワーが安い。

売れて開店しており、コチョウランの鮮度もいい。

コチョウランについては、勝負アリですね。

3.日本フラワーの差別化戦略ーバラ

地域で花屋をしていると、すべての花の需要に対応しなければなりません。

 

切り花では、わかりやすいのが、バラ。

日本フラワーでは、年間の半分ぐらい、

バラを10本380円で売っています。

分かりやすく、売れます。

1週間の販売量、約1000本。

26週で、26000本。

バラも、多分2番の店の、10倍以上の本数売るんじゃないですか。

だから、これも日本フラワーの名物になっています。

このバラ使えば、100本のバラの花束作っても、

5000円しません。

「驚きと感動のバラ!」になっています。

お客様は、もちろんバラばかり買いに来る訳ではありません。

ついでに、カスミソウ、チューリップ、ガーベラ、スイートピー、

フリージャなど、色々な花を買って下さいます。

バラが、一つの呼び水になっています。

4.日本フラワーの差別化戦略ー仏花

 

実は、仏花が、コメの飯。

あの目立つ胡蝶蘭が、売上の20%なのに対し、

仏系の花は、30%を占めます。

日本で、地方都市どこでも一番売れるのは、

仏花です。

何故でしょう。

例えば、ギフトで一番売れる数が多いのは、誕生日と母の日。

それでも、年1回ですよね。

母の日毎日あれば、ビルが建ちますよ(笑)。

でも、仏壇の花、1週間から10日で、

取り換えますね。

両サイドに備えれば、1年で、一人で80束買ってくれるんですよ。

八王子は、戦国時代より、歴史のある町。

一戸建ての家が多く、仏壇のある家が多いのです。

また、お寺の数も多く、大きなお寺が多い。

ごく狭いエリアで、七福神参りも出来ちゃいます。

また、市の面積も広く、ちなみに立川市の9倍。

大きな墓地もあります。

春・秋のお彼岸、お盆、命日、月命日など、

仏需要は多くあります。

日本で、菊の生産本数がバラの3倍以上なのも、

納得ですね。

日本フラワーでは、常に、いい仏花を500円で用意してあります。

八王子の仏花需要は、半端ではありません。

5、日本フラワー差別化戦略の要

地域の花の需要は、千差万別。

主だったものだけでも、

正月の花、成人の日、バレンタインデー、桃の節句、

卒業、春の彼岸、3月4月のコチョウラン需要、

叙勲・褒章、春のガーデニング、母の日、父の日、

お中元、お盆、敬老の日、秋のお彼岸、

秋のガーデニング、ハロウィン、秋の叙勲・褒章、

お歳暮、クリスマス、シクラメン、シンビジウムなど。

どれも、花が多く特徴的に売れるモチベーションです。

それに、獰猛に全て対応するのが、日本フラワーの差別化戦略の要です。

ですから、花のフル需要に対応するには、

売り場が20坪は必要です。

もちろん、その全ての需要に上手に対応するノウハウが必要です。

販売・仕入・人材の教育・スケジューリング。

花を多く売り、利益を出して行くには、ノウハウが必要です。

 

【阿部憲資略歴】

 

1996年 東京立川に花屋1号店オープン

      以降、計30店舗の花屋開設

2001年 株式会社 花良品 代表取締役社長

2001年 日本フローラル協会理事

2007年 株式会社フラワー総研 代表取締役

      現在に至る。

 

【著書(共著)】

「お花屋さんマニュアル」1~4誠文堂新光社

「花屋さんの仕事 基本のき」誠文堂新光社

 

【TV】

テレビ東京「日比谷花壇 vs 花良品」(30分特番)

テレビ朝日「花良品 vs 青山フラワーマーケット」(30分特番)

NHKBS 「花良品の鮮度保証販売」(5分特集)

 

 

 

 

 

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