1、母の日の由来
「母の日」は、家族のために尽くしてくれる「お母さん」をねぎらい、感謝の気持ちを表す日。
日本では毎年、5月の第二日曜日です。
母の日の由来にはいろいろな説がありますが、アメリカで始まったという説が一般的です。
1907年、アメリカのアンナ・ジャービスが、苦労の末に自分を懸命に育ててくれた母の死を悼み、母親が好きだった白いカーネーションを、教会に飾ったのが発端とされています。
これをきっかけに、全米で母に感謝する動きが広まり、1914年アメリカ合衆国議会は、
アンナのお母さんが亡くなった5月第二日曜日を「母の日」にすることを決めました。
以降、母親が元気な場合には赤いカーネーションを、亡くなっている場合には白いカーネーションを胸に飾るようになり、やがてプレゼントとして、カーネーションを贈る風習とつながって行きました。
日本では1949年ごろから、アメリカと同じように5月第二日曜日を「母の日」とするようになっています。
今では、お母さんに感謝を表す日として国民的行事になっており、カーネーションをはじめアジサイや胡蝶蘭など、お母さんが好むギフトを、「母の日」に贈る習慣がすっかり定着しています。
2、母の日に売れるもの
母の日は、花業界のメーンイベントですね。
あらゆる大きな記念日で、「お花」が真っ先に浮かぶのは、「母の日」ぐらいです。
「ミモザの日」もありますが、まだ、日本ではあまり認知されていません。
「母の日」は、お母さんがいる人は、赤のカーネーション、お母さんのいない人は白いカーネーション。
やはり、今でも、カーネーションが主流です。
カーネーションの鉢物、カーネーション主体の花束です。
毎年毎年お母さんにあげますので、カーネーションの色を変えてみたり、他の鉢にしたりします。
カーネーション以外で圧倒的に強いのが、アジサイ。
サイズも種類・色も豊富。季節もピッタリで、育てやすいです。
あとは、バラ、カラー、クレマチスも売れます。
また、ガーデニングが好きなお母さんには、鉢・苗のアソートバスケット。
小さ目のカーネーション、アジサイ、カラー、ミニバラなどを芯にして、マリーゴールド、バーベナ、モンタナ、ベルフラワー、フランネルフラワー、アイビー、プミラ、ポトスなどを3つ~5つほど合わせます。
近年、大人気です。
我が日本フラワーでは、カーネーションの次に胡蝶蘭が売れます。
都内の花屋では、胡蝶蘭の品揃え・数は最大級ですので、お母さんに胡蝶蘭をあげたい人は、日本フラワーに殺到します。
やはり、お店には特長が必要ですね。
駅前店では、花束が、郊外店では鉢物が強いです。
郊外店でも、母の日当日の午後から、花束が多く売れてきます。
殆どの花屋は、白いカーネーションを用意しません。
お母さんがいない人も、いらっしゃいますので、キチンと用意しましょう。
亡くなったお母さんを偲んで、お墓参りに行く人も多いです。
仏花のバラエティー、仏花の準備もきちっとしましょう!
3、母の日の準備
「母の日」は、花業界では、年間で最大のイベントです。
もちろん花業界以外でも、自分の商品に力を入れます。
アパレル、ケーキ、お菓子業界、どこでも。
お母さんが好きで、あるいは使うもの全てが、ギフトの対象になりますね。
だから、全ての小売業がライバルです。
ですから、母の日に自分のお店に来てもらうには、格別のアピール、告知が必要です。
花屋では、3月のお彼岸や卒業、送別などが終わったら、4月早々に、母の日告知をする必要があります。
特に、今や何でも売るコンビニは脅威です。
3月早々から、ギフトカタログを店頭に置いています。
早く予約したお客様には、早割りを実施しています。
コンビニでは、集計して、配送数をベンダーに連絡して用意するため、申込みの締め切りが早いです。
締め切り後からは、花屋の独断場です。
早期にコンビニに刈り取られないように、早期の告知以外に、普段からの信用力が大切ですね。
写真だけで勝負しているコンビニに負けたら恥ずかしいです。
実物・現物で、普段からお客様に、「驚きと感動」を与え続けておくことが肝腎です。
そうすれば、専門花屋が、隣のカタログだけのコンビニに負けるはずは、ありませんよね!
4、母の日の直前準備
母の日は特別に売れますので、直前の段取りは重要です。
母の日の、土日2日間で、通常の10日分売れます。
普段でも、空いたスペースないのに、どこに商品を置くのですか?
お彼岸のような切り花主体の時と違って、鉢はがさ張りますから、スペースが厳しいです。
事前に臨時で倉庫・スペースを短期で借りたり、店の車をパーキングに移して、駐車場に鉢を置いたり、土日休みの店の軒先を借りたり。
普段からの近所付き合いが、大切ですね。
また、宅配便での地方配送も多くなります。
箱詰めのスペースや、出来上がりの箱を置くスペースが必要です。
宅配業者と事前に打ち合わせして、取りに来てもらう回数を増やすなど、特別体制を組んでもらいます。
すべて、人手のいる作業ですので、事前に知人に応援をお願いしたり、派遣会社にお願いして、万全の人員体制にして置きます。
また、ある程度、決まった形でラッピングするものは、そのパターンのリボンやラッピング用紙のカットなど、事前にある程度作っておきます。
当日、段取りよくスムーズに仕事出来ると、売上が上がります。
何事も、段取りと事前準備が大切ですね!
【阿部憲資略歴】
1996年 東京立川に花屋1号店オープン
以降、計30店舗の花屋開設
2001年 株式会社 花良品 代表取締役社長
2001年 日本フローラル協会理事
2007年 株式会社フラワー総研 代表取締役
現在に至る。
【著書(共著)】
「お花屋さんマニュアル」1~4誠文堂新光社
「花屋さんの仕事 基本のき」誠文堂新光社
【TV】
テレビ東京「日比谷花壇 vs 花良品」(30分特番)
テレビ朝日「花良品 vs 青山フラワーマーケット」(30分特番)
NHKBS 「花良品の鮮度保証販売」(5分特集)
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