売上は、どのようにすれば上がるのか。
方策は、いくらでもあります。
理由のない結果はない。
売れるためには、売れる理由を多く作るのです。
売上=①売上件数×②客単価×③来店頻度です。
①、②、③の順に考えて見ましょう。
目次
1、売上件数を上げる
1-1 人が多く通る所に立地する。
売上は、通行量に比例します。
自分の経験値ですと、
売上件数=通行量×1% です。
もちろん、商売がまずいと0.5%になったり、
うまくやれば、2%~3%になったりします。
でも、比例するのは間違いありません。
かりに、客単価が1000円だとすると、
どうしても1日50000円の売上が欲しければ、
一日50人の売上件数が必要です。
そのためには、目の前の通行量5000人以上のところを、
探す必要があります。
1-2 乗降客数の多い駅の周辺を探す。
5000人の通行量が欲しければ、
乗降客数の多い駅のそばを狙うのが、
常道です。
東京でも、ローカルの小さい駅ですと、
1日、5000人以下の乗降客数の駅もあります。
10万人以上降りる駅を探すといいですね。
JR中央線ですと、中野、荻窪、吉祥寺、三鷹、武蔵境、武蔵小金井、
国分寺、国立、立川、八王子が10万人超えています。
高円寺、阿佐ヶ谷、西荻窪あたりで9万人ほどです。
JR中央線は東西に走っていますので、
北口、南口に分かれています。
三鷹以外は、北口のほうが街が栄えています。
駅の真ん前なら、5万人以上通るわけですが、
駅立地は取れませんので、駅にほど近い、
確実に5000人以上の通行量のある空店舗を探します。
1-3 後背地の広い地点を探す。
人はどこから、来るのでしょうか。
駅前に住んでいる人は少なく、
お店から見て、駅の反対側方向から、
お客様は見えます。
お客様が多く来るところを、
後背地といいます。
例えば、西荻窪。
東は荻窪、西は吉祥寺。
北は上石神井、南は久我山。
荻窪・吉祥寺は大きな駅ですから、
東西からの吸引力は弱いです。
上石神井、久我山は西荻窪に比べて小さい駅なので、
後背地は南北に伸びます。
JR八王子北口は、北、西には隣の駅がありますが、
北東方向には、規模のある駅が、遠くありません。
5キロ以上北東方向の人は、多くはJR八王子に向かいます。
わが日本フラワーは、JR八王子駅の大きな扇形の後背地の、
扇の要の位置にある。
それらの人々を受け止められる、バス停、駐輪場、駐車場、
全て揃っています。
自分のお店、あるいは自分の出したい店の地点で、
グーグルアースで調べてみると、一目瞭然です。
住宅地がびっしり繋がっているのか、公園・緑地帯が多く
人が住んでいないのか。
パソコン上でも、立地の良し悪しを調べることが出来ます。
1-4 人の流れを妨げる大きな障害物が無い。
また、自分の店の後背地側に、
人の流れを妨げる、大きな障害物が無いことが、
重要です。
川、鉄道、高速道路など。
それらがあると、人が実際通ることが出来ません。
橋の無い川の向こうから、人は泳いで来ないのです。
あとは、障害物というよりも、人が全く広く住んでいない。
公園、墓地、大きな寺社、緑地帯、田園など。
後背地に、大きな空白が無いことが重要ですね。
来る人が、いないんですから。
1-5 街の特質
来店客数は、人の流れに比例しますが、
どういう人が通るのかが、重要です。
原宿の竹下通りですと、物凄い人の数ですが、
中学生が多いので、お花は売りにくい。
新橋・神田も人通りは多いけれど、
殆どビジネスマンの、行き帰り。
花には、縁遠い。
売上件数の中には、仏花、花束・アレンジ、
園芸・ガーデニング商品、胡蝶蘭、観葉など、
こちら側の売るものも、決まっているのである。
ですから、仏壇や神棚がある家。寺社や墓地がある。
花束やアレンジが売れやすい、イベントホールがある。
ガーデニングが出来るお庭のある家が多い。
3月の卒業シーズンに、花束が売れることになる、
保育園・幼稚園、中学校、高校、大学が多い。
企業需要で胡蝶蘭が出るような、事業所が多い。
そのような、売れる要件の多い街の質も、
立地を選ぶ、重要な要件です。
2、客単価を上げる。
2-1 重層な品揃えが重要
売り場にパンジーやビオラなどの、苗物ばかりだとすると、
それを、大量100個売っても、1個100円ならば、
売上は10000円です。
10000円の胡蝶蘭を1個売っても、10000円。
また、1000円、2000円の、クリスマスローズ、バラ、ブーゲンビリア、カラー、クレマチス、アジサイが多くあれば、7~8個売って、1万円。
5000円、10000円の観葉植物があれば、売れれば10000円。
このように、品揃えがバラエティー良く、上から下まで持っていないと、
件数も客単価も上がりません。
胡蝶蘭でも、シーズンに1日2~3個売れれば、
すぐ、5万円とか売れるのです。
胡蝶蘭が売れるマーケットを選び、胡蝶蘭で勝負することは、
とても良い、お店の差別化です。
2-2 関連販売をする。
野菜を売るとします。
ナス100円が2個で200円です。
ナスを上手く育てるためには、有機肥料が必要ですね。
お客様が、550円の有機肥料も買ってくれました。
売上は750円になりました。
キュウリでも、トマトでも、ゴーヤでも、
有機肥料があったほうが、いいですね。
野菜を売るなら、必ず有機肥料を勧めるのです。
しっかり、関連する商品、有機肥料を品揃えすることが重要です。
また、観葉植物を買う。
観葉植物は、基本、室内ですね。
室内で、ふつうに水やりすると、
鉢から水が、流れ出ます。
ですから、絶対に鉢皿をお勧めします。
普通家に鉢皿ありませんから、
たいていのお客様は、買うのではないですか。
鉢皿も他店任せにしないで、
こちらで売るのです。
しっかり、いろんなサイズの鉢皿を品揃えしておきます。
切り花でも、お客様がレジに花を持って来ます。
「お客様、これをもう一つを加えますと、
こんなに見栄えが違いますよ!」と、もう1点勧めます。
1つしか買わない人は、2つ買いませんが、
3つ買う人は、4つ目買います。
お客様の得になる提案をしてあげれば、
お客様は、買ってくれるものです。
そうやって、地道に客単価を上げるのです。
客数があれば、客単価は上がる時は上がるものです。
3月はお祝い事が多く、花束やアレンジなど、客単価が上がります。
母の日は、自分のお母さんと旦那様のお母さんと、
2つ買うから、客単価上がる。
正月用は、皆さん色んなところに花を飾るから、
自然に客単価上がるのです。
3、来店頻度を高める
3-1 お客様の買い物満足度を高める
飲食店ですと、1回来たお客様が、2度目来てくれる確率は、
20〜30%だそうです。
意外と低いですね。
美味しい、安い、感じがいいのでもう一度、
ではなく、まずい、高い、感じ悪い、しょっぱい、
汚い、油が多いなど、マイナスに感じることが多いのですね。
花屋みたいに、地域で商売するものにとって、
再来店率が20〜30%だったら、大問題です。
商売、成立しなくなります。
商品がいい、品揃えがいい、安い、接客が抜群、
花束・アレンジが上手、ラッピングが上手と来たら、
また来てくれるでしょう。
日本フラワーは、再来店率は、90%超えています。
そして、驚きと感動で、期待を大幅に上回るパフォーマンスが出来れば、
口コミが発生します。
期待値が100で、パフォーマンスが110なら、想定の範囲。
いちいち、人に話さないでしょう。
でも、期待値が100で、パフォーマンスが200なら、
「ねえねえ聞いて聞いて、あそこの花屋さん、いいバラが5本で500円だったのよ。
他の店は、1本400円だから、ものすごく得しちゃったのよ!」
「えっ、ウソ。その店どこにあるの?今度、行くわよ!」
どんどん、クチコミの輪が広がって行きます。
美味しい飲食店でも、スイーツ、花屋でも、
クチコミの論理は同じです。
コチコミは、極端な驚きと感動から生まれるのです。
3-2 再来店誘導システムを作っておく。
お客様は、おまけが大好きです。
ポイントカードによる、割引は皆さんお好き。
アプリ会員制度などの、顧客管理システムで、
会員さんだけのお買い得情報をプッシュ通信するなど、
最近ではスマホを使った仕組みがあります。
1回来てくれたお客様が月に1回来るのと、2回来るのとでは、
売上が2倍違います。
売上=①売上件数×②客数×③来店頻度
この①、②、③を地道にアップさせることが、
売上を上げることなのです。
【阿部憲資略歴】
1996年 東京立川に花屋1号店オープン
以降、計30店舗の花屋開設
2001年 株式会社 花良品 代表取締役社長
2001年 日本フローラル協会理事
2007年 株式会社フラワー総研 代表取締役
現在に至る。
【著書(共著)】
「お花屋さんマニュアル」1~4誠文堂新光社
「花屋さんの仕事 基本のき」誠文堂新光社
【TV】
テレビ東京「日比谷花壇 vs 花良品」(30分特番)
テレビ朝日「花良品 vs 青山フラワーマーケット」(30分特番)
NHKBS 「花良品の鮮度保証販売」(5分特集)
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