1、花屋開業をするために必要な視点?
花や園芸は人間にとって、絶対必要なものです。
この新型コロナ下においても、意外と善戦しています。
飲食業は多くの新型コロナにまつわる補助金がありながらも、
バタバタ倒れて行きます。
花屋は新型コロナで、バタバタ倒れてはいないようです。
全く難しかったパターンは、ブライダル専業だったり、
イベント専業であったり。
新型コロナにより結婚式・イベントが激減する中で、
仕事がなくなってしまったわけです。
あまり影響なかったのは、スーパーの花屋。
スーパーは、絶対に買い物に行く場所なので、
スーパーの花屋の売上は減っていない。
むしろ、増えています。
平常下では、花にまつわるいろんな文化がありました。
今は、いわゆる緊急事態下ですから、
花や園芸のもつ本来的な癒しの価値が見直され、
人々は、手に入れやすい場所で、花や園芸を求めています。
花屋を開業するにあたりまず考えたいのは、
自分だったらどういう場(場所)で花を買い求めたいのか?
ということです。
花を売る、という視点よりも、
花を買う、という視点を追求すべきです。
自分が消費者だったら買いたくないようなお店を作っても、
誰にも相手にされないわけですから。
飲食店を開業しても、コンサルタントに原価率を気にしなさいと言われ、原価率35%の料理を提供する。
それ、自分で食べたいですか?満足しますか?
また行きたいですか?
自分で食べたくないようなものを提供しているわけですから、
半年や一年で、せっかくお金をかけたお店が閉店せざるをえなくなるわけです。
花屋も全く同じですね。
どういうお店なら、自分が買いたい店なのか?
自分が是非買いたい店ならば、他の人も行きたいのではないでしょうか?
2、スーパーへの出店
スーパーで花が売れるといっても、
初めて花屋をする人にとって、
スーパーに出店するのは、敷居が高いです。
スーパー側も、例えばヨーカドーの売り場を、
素人に近い人には任せないでしょう。
例えばヨーカドーが新店を出すときは、
ヨーカドーの既存店の花屋の中から、実績のある花屋を選ぶのが常です。
新規参入の壁は高いです。
スーパーでも大小あります。
小さいスーパーでは、花屋は大きな売上は見込めませんので、
人がいるショップはペイしません。
それで、5尺(1.5メートル)ぐらいの什器を、
1~2台に花売り場とします。
これは、スーパー自ら運営するところは少なく、
業者を選定して、委託販売をさせます。
売上の20%をスーパー側に支払います。
この委託販売もノウハウが必要なわけで、
新規参入は難しいです。
首都圏では1店舗平均、年間500万円の売上ですから、
数店舗以上やらないと、1店舗ではビジネスは難しいです。
既存店の花屋があれば、プラスアルファとしての500万円はありがたいですが。
以上見てきたように、いくらスーパーが売れると云っても、
実際の参入は難しいです。
3、自分の出来る範囲で小さい花屋を作る
花屋を始める場合、ある程度の資金が必要です。
手持ちの貯金が少ないと、小さなお店(5~10坪)しか作れません。
一般的に小さなお店は売れません。
どうしても花が多くは置けませんので、
品揃えで競合に負けてしまいます。
お客さんから見た場合、欲しい花が無い店は、
行きたくないわけです。
小さなお店で成立するのは、
人通りの多いところに限ります。
その時節で売りやすい花を、人の流れで買ってもらう。
それでもほど近いところに品揃えの良い花屋があると、
そこに勝つのは簡単ではありません。
価格、腕、人柄で勝つチャンスはあります。
4、品揃えのいい花屋をめざす!
人の花に対する需要はまちまちです。
通常は50~70代の女性が一番多く花を買われます。
仏需要の花が多いです。
仏壇の花、お墓の花。
お彼岸、お盆、年末には多くのお花を買います。
仏壇に花を切らさないようにしますので、
月に4回も来てくれるヘビーユーザーです。
また、お祝い事などの花束やアレンジの花を買う層。
30代~70代の女性が主体です。
お誕生日や子ども、孫、友人のお祝い・イベントがらみです。
このあたりは本来底堅いのですが、新型コロナでイベントが大幅に減っていますので、花束・アレンジの需要は例年より減ってはいます。
人が花束を買う頻度は、年にそう何度しかないです。
ギフトの花の総額は、仏需要の花に比べれば多くはないです。
あと、昨年強調されたように、ステイホーム需要で、
ガーデニングや野菜苗は好調です。
地域のお家に花や木を植えていない家はありません。
店にスペースがあれば、主要な鉢・苗は置けます。
そのあたりをホームセンターに任せて、捨ててしまうのはもったいないです。
またギフトとしての胡蝶蘭や若者に人気の観葉植物もあります。
このように、仏花、花束・アレンジ、苗・鉢物、
胡蝶蘭、観葉。
花と緑のフルラインで、地元の需要を根こそぎ取り込めると、
ある程度の売上を見込むことが出来ます。
あの店に行くと、満足できる買い物が出来るという評判をとりたいですね。
大きな花屋であれば、スーパーの花屋に対抗しやすいです。
小さなスーパーには人もついていないし、
花束もアレンジも出来ない。
大きなスーパーでも、
花屋は通常大きくないです。
品揃えや接客で、十分対抗しないといけません。
品揃えで負けていないければ、
工夫の余地があります。
このような、品揃えの良い店は20坪以上のスペースが必要です。
20坪以上のお店ですと、通常1000万円程度の資金が必要です。
また、もちろん人通りがある程度あり、自転車が置けたり、車でも行きやすいなどの条件も必要です。
5、最後に!
繰り返しになりますが、
自分がとても買いたいような花屋を作ろうとすることが先決。
その次に、メインターゲットになる人が、
買いたくて買いたくて仕方がない店を作ること。
自分勝手なお店を作っても通用しないのがこの世界です。
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