母の日の成功!|花屋開業のポイント

1、花屋にとっての「母の日」の意味

1年、12か月、様々なイベントがあります。

月1度クラスのイベントで、花が主役のイベントは、

「母の日」以外にはないですね。

例えば、クリスマス。

クリスマスには、是非男性から女性に赤いバラの花束を贈って欲しいと思いますが

やはり、何が主役かと言われれば、クリスマスケーキとチキン。

彼女や彼にプレゼントするものは、宝飾品だったり服だったり、色々です。

バレンタインでは、世界は赤いバラの花束ですが、

日本では、花業界の対応の遅れから、なんとチョコレートに主役を取って代わられています。

母の日は、歴史的には、白のカーネーション、赤のカーネーションから歴史が始まりました。

アメリカの南北戦争で、敵味方なく負傷兵の面倒を見たアンジャービス。

母の死後2年経った1907年5月12日、娘のアンナ・ジャービスが追悼に、

白いカーネーションを飾りました。

この日がアメリカや日本で、母の日の起源とされています。

1914年に、5月12日がアメリカで「母の日」として制定されました。

それ以来1世紀にわたって、生きているお母さんには赤いカーネーションを、

亡くなられているお母さんには、白いカーネーションを贈る風習になっています。

母の日と言えば、真っ先に思い浮かぶのが赤いカーネーションです。

今ではカーネーション以外に様々な花が贈られます。

次項でここ20年の傾向を見て見ましょう。

2、母の日のカーネーション

花屋を始めた23年前。

やはり売れたのは、赤いカーネーションでした。

5号サイズを中心とする鉢も切り花も。

ですから、市場でも母の日前の赤のカーネーションは、

目の玉が飛び出るほど高かったです。

そのうちに、赤ではないカーネーションも売れて行きました。

去年は赤いカーネーションだったから、今年は違ったものをあげたい。

そういう、子どもの母への想いでしょう。

子どもと言っても、最も花を買ってくれるのは、30代~50代ですが。

また、ちょうど世の中ガーデニングブームだったり、

花がよく売れた時代で、カーネーションの品種改良も盛んでした。

赤のみならず、ピンクも濃淡や覆輪など、色んなバラエティーのものがありました。

グリーンのカーネーションが、ちょっとしたブームになったりしてました。

切り花では、1997年からサントリーの青いカーネーションが開発され、

また近年では、染めたレインボーのカーネーションが人気です。

3、母の日で人気の花

やはり、定番の花としてカーネーションが強いのですが、

それに次いでいるのが、アジサイと胡蝶蘭でしょう。

それでは、種類ごとにその特徴と傾向を述べてみたいと思います。

3-1 アジサイ

近年は、アジサイが母の日の人気アイテムになっています。

アジサイも品種改良が盛んです。

とりわけダンスパーティーという品種が大ヒット。

1994年に加茂花菖蒲園が1994年ぐらいに作出した品種ですが、

2008年ぐらいから大ブームになっています。

もちろんダンスパーティー以外にも様々な品種・色があり、

クロ、黄色、オレンジ以外の全ての色があります。

大体パステルカラーで、見た目に柔らかく美しい。

アジサイは見た目は柔らかですが、草花ではなく木ですので、

とても丈夫で育てやすいです。

そのまま庭に植えても丈夫に育てることが出来ます。

カーネーションの鉢が、かなり育てにくいことを考えれば、

実質的にアジサイが一番育てやすいのではないでしょうか。

ですから、お客さんからすると一番安心して買える商品といえます。

またサイズもカーネーションと比べるとバラエティーがあります。

大きな立派なものがあり、単価も取れますので、

花屋としても、一番力を入れる商品です。

カーネーションを残してしまうと、母の日以降、全く売れませんが、

アジサイですと、6月はレイニーシーズンですから売るのに安心感があります。

3-2 胡蝶蘭

母の日に胡蝶蘭もよく売れます。

胡蝶蘭は、ハレの日には最も相応しい、

大変おめでたい商品です。

胡蝶蘭の花言葉は、「幸福を運んで来る!」。

贈られるお母さんにも、贈る子どもたちも、

幸福に満ちあふれる雰囲気がある。

年に1回だから胡蝶蘭と決めている人も多いです。

贈られるのは女性ですから、

ピンクの胡蝶蘭が多いです。

ピンクの胡蝶蘭の花言葉は、「あなたを愛します!」。

まさに愛するお母さんに相応しい、母の日の商品です。

胡蝶蘭を貰ったお母さんは、水もほとんど上げなくてもいいので、

管理も楽ですね。

家に飾ることが前提ですので、

テーブルに置けるサイズの、ミディタイプの胡蝶蘭が良く出ます。

3-3 その他の商品

母の日は年に1回ですから、一昨年はカーネーション、去年はアジサイ。

さて今年は何にしようかな?と、楽しく思い悩むわけです。

4月、5月はちょうど園芸シーズンで、花屋の店先は百花繚乱状態。

カーネーション、アジサイ、胡蝶蘭の3大アイテム以外に、

人気のアイテムを紹介しましょう。

花好きのお母さんも多く、お母さんが好きな花、という選び方が、

一番いいかもしれませんね。

 

3-3-1 バラ

バラはお花の女王です。

その華やかさ、あでやかさは人々を魅了します。

また、庭でバラを楽しむご婦人も多いです。

バラは当然、母の日の人気アイテムです。

庭木に植えるようなバラは、高さも1メートルを超えて来ます。

母の日には、庭木に植えるタイプのバラよりも、

ミニバラのように、丈が伸びないタイプのほうが人気です。

ミニバラですと、ベランダで十分育てられます。

もちろん、切り花のバラ。

赤やピンクの花束も人気です。

 

3-3-2 クレマチス

クレマチスも人気です。

従前ですと、クレマチスは4月で終わることが多く、

5月の母の日には殆ど無かったのですが、

最近では母の日に照準を合わせて出荷してくる生産者も出て来ました。

クレマチスは、暑さ寒さに強く、庭で育てられます。

クレマチスが好きなお母さん、庭いじりが好きなお母さんに最適なアイテムです。

 

3-3-3 ラベンダー

ラベンダーもちょうど初夏の商品。

ラベンダーの香りが好きな人は多いですね。

母の日シーズンで、一番香りの良い商品といっても過言はないでしょう。

母の日に、ピンクや赤のお花が多いなかで、

紫、ブルー系のお花は清涼感があります。

 

3-3-4 ブーゲンビリア

華やかな花の中で、何が一番華やかかといえば、

それはブーゲンビリアではないでしょうか?

ある程度、太陽や温度が必要なので、

寒いところでは育てにくいと思いますが、

西日本以西では育てやすいのではないでしょうか。

瞬間的な輝きでは、ブーゲンビリアが一番かもしれません。

 

3-3-5 カラー

近年はカラーも人気です。

あの縦に長いエレガントな姿に魅了される女性も多いです。

園芸のカラーは白が少ないです。

白いカラーは、花持ちが短い。

花持ちが長い、黄色やピンクが人気です。

球根ですので、上手く育てればまた咲いて来るのもいいですね。

 

3-3-6 アソートバスケット

アソートバスケットは、カゴに色々なお花をアソートするものです。

バスケット全体は、まるで箱庭のような楽しさで、

何種類ものお花を同時に楽しむことが出来ます。

見た目も楽しく、美しく、

あとでバラして、ガーデニング出来る喜びがあります。

入れるアイテムはいっぱいあります。

カーネーション、ミニバラ、アジサイ、カラー、クレマチス、

ラベンダー、ブーゲンビリア。

全てが単品ものと違って、小さいものです。

それらを組み合わせます。

あとは、通常の苗もの。

黄色としてマリーゴールド、白はモンタナ。

可愛い感じはカランコエや、カラフルなケイトウなど。

色合いが合えばなんでもOKです。

アソートバスケットのカラフルさ楽しさは別格。

全体では、カーネーション、アジサイ、胡蝶蘭の次ぐらいの売上です。

 

【阿部憲資略歴】

 

1996年 東京立川に花屋1号店オープン

      以降、計30店舗の花屋開設

2001年 株式会社 花良品 代表取締役社長

2001年 日本フローラル協会理事

2007年 株式会社フラワー総研 代表取締役

      現在に至る。

 

【著書(共著)】

「お花屋さんマニュアル」1~4誠文堂新光社

「花屋さんの仕事 基本のき」誠文堂新光社

 

【TV】

テレビ東京「日比谷花壇 vs 花良品」(30分特番)

テレビ朝日「花良品 vs 青山フラワーマーケット」(30分特番)

NHKBS 「花良品の鮮度保証販売」(5分特集)

 

 

 

 

 

 

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