物日(ものび)。
物日とは、元来、祝い事や祭りなどが行われる日です。
花業界では、春・秋のお彼岸、お盆を指すことが多いです。
さて、春のお彼岸が終わりましたので、
春のお彼岸の売り方をおさらいしておきましょう。
1、春のお彼岸の事前準備
お彼岸には、一日に通常の日の4倍、5倍、
切り花が売れます。
運と売れる日は、彼岸の入りの前の日。
入りの日。
お中日の前の、土日。
お中日(春分の日)です。
お中日以降、明けの日までも、
通常の2倍ほど売れます。
お彼岸は、入りの日から明けの日までの1週間。
お中日(春分の日)が、真ん中になります。
入り前の前の日から、ギアチェンジして、売れ始めます。
事前準備としては、売るスペースの確保。
つまり、園芸商品の量を少なくしておいて、
切り花スペースに充てることが、必要となって来ます。
お彼岸が始まる前は寒いので、そんなに園芸商品が売れているわけではありません。
園芸商品を、計画的に減らして行く仕入計画が必要です。
また、売れる仏花などの材料を、多く手当しておくことが必要です。
輪菊、スプレー菊、小菊、カーネーション、スターチスなど。
仏花以外の花も売れます。
仏花に付け加えたり、好きな花を選んで、束を作って欲しいという依頼も多いです。
ボリュームのある、ユリ、ストック、キンギョソウ、アルストロメリアなど、
多めに持ちましょう。
また、春ならではの、チューリップ、フリージャ、スイートピー、
キンセンカ、菜の花なども多く出ますので、品揃えを充実させておきましょう。
2、春のお彼岸の仕入
お彼岸は、もちろん全国共通です。
花の需要が、大きく高まります。
花の価格も、需要と供給で決まるので、
お彼岸前からお彼岸にかけて、花の価格が
跳ね上がります。
市場の競り取引だけですと、欲しい量が買える保証はありませんし、
価格の暴騰に翻弄されがちです。
事前に予約取引出来ますので、使う量の半分は押さえておいたほうが無難です。
この予約価格は、安くはありません。
ただ、跳ね上がることを思えば、押さえておいたほうが安全です。
野菜などは、八百屋さんは相場が高ければ、平気で値上げします。
ものによって、価格を少しあげても止むを得ないでしょう。
適正な利益がないと、花屋さんも食べていけませんので。
ただ、普段例えば、5本で500円の仏花を主力で売っているとしたら、
中味を4本にして、500円の仏花も用意しておいてあげましょう。
それでも、スーパーの仏花よりも、余程良いものが出来ますので。
スーパーの花売り場は、スーパーが2割持っていくので、
500円の仏花と言っても、花業者には400円しか入りません。
ですから、あの手この手で商品を作っていますが、本来花屋の500円が、
スーパーの500円に負けるわけがない。
それで負けちゃうなら、商売、止めたほうがいいです。
今まで、八百屋、肉屋、魚屋はスーパーに負けて無くなって来ました。
スーパーのほうが安く、買いやすく、広くて品揃えがいいから、
負けは必然でした。
花はどうでしょうか?
花屋のほうが、少なくてもスーパーより、全然広いですね。
対面で、お客様のご要望にも応えられる。
花業界の健闘を、願っております。
【阿部憲資略歴】
1996年 東京立川に花屋1号店オープン
以降、計30店舗の花屋開設
2001年 株式会社 花良品 代表取締役社長
2001年 日本フローラル協会理事
2007年 株式会社フラワー総研 代表取締役
現在に至る。
【著書(共著)】
「お花屋さんマニュアル」1~4誠文堂新光社
「花屋さんの仕事 基本のき」誠文堂新光社
【TV】
テレビ東京「日比谷花壇 vs 花良品」(30分特番)
テレビ朝日「花良品 vs 青山フラワーマーケット」(30分特番)
NHKBS 「花良品の鮮度保証販売」(5分特集)
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