1、市場の胡蝶蘭取り扱い高
昨日、関東の中堅市場の胡蝶蘭の担当の人と、
お話しました。
その市場では、切り花の取り扱い髙は微減、
園芸はかなり落ちているものの、
胡蝶蘭は落ちていないとのことでした。
マクロ的なデータではなく、ミクロ的なそれも担当レベルのお話です。
我々小売りレベルでも、胡蝶蘭だけが伸びている。
そういう意味では、市場と小売りの感覚が一致しました。
2、何故胡蝶蘭が伸びているのか?
2-1 胡蝶蘭 企業編
国内の企業は、とりわけ中小企業において、
経済環境はなかなか厳しいものがあります。
下請けや売り込む方は、買って頂ける企業から切られたら終わりです。
ですから、中元・歳暮を始め、就任祝い・昇進祝、開店祝いなどを、
確実に行います。
こういう機会は、親密度を深めるチャンスです。
取引額、年間数百万~億単位まで。
このようなお祝いに、虎屋の羊羹は贈りません。
このような時は、胡蝶蘭と相場が決まっているのです。
数百万~億単位の取引に対し、3万、5万高いですか?
銀座で接待するよりも、10倍以上安いんです。
企業にとって、胡蝶蘭は経費です。
最も少ない経費で、最も大きい効果、それが胡蝶蘭なのです。
現在のように厳しい状況であるからこそ、
胡蝶蘭はコストパフォーマンスの良い商品として売れているのだと思います。
2-2 胡蝶蘭 個人編
8年前の東日本大震災。
東京では、電力不足で計画停電が行われ、
花の売上はがた落ちでした。
しかしながら、震災が落ち着いてくると、
お花のギフトがとても売れるようになりました。
人々は、震災を経て、何が一番大切な価値なのか、気づいたのです。
それは「人間の絆」「家族の絆」です。
これ以上に大切なものはない。
お誕生日、母の日、父の日などしっかり家族で祝うようになったのです。
胡蝶蘭の花言葉「幸福を運んで来る」も、かなり知られるようになりました。
胡蝶蘭の花持ちがいいことも、知られて来ています。
胡蝶蘭は、花業界では最上・最高の商品であるという認識が、
徐々に広がって来ています。
払う価格に対して、2か月も持つ、パフォーマンスの良さ。
昔であれば、花束・アレンジを贈るところをもう一格上げて、
胡蝶蘭を花のギフトとしてご利用される方が増えているのです。
8月のお盆は、日本で最も暑い季節。
お盆に帰省出来ないので、花を送るという人が多くいます。
生花ですと3日しか持たない。
うちの店は、30日近く持つ胡蝶蘭をお勧めします。
そして、胡蝶蘭を送られる方が多いんです。
世の中の価値観の変化に胡蝶蘭は対応出来ているので、
個人で胡蝶蘭をご利用される方が増えているのだと思います。
2-3 胡蝶蘭 品種改良
胡蝶蘭の需要が増えてきたのも、
供給側である生産者の品種改良の努力があるのは、
言うまでもありません。
昔は、胡蝶蘭といえば白と、相場が決まっていました。
今では、ピンク、白赤はもちろんのこと、
還暦なら赤、古希なら紫、米寿なら黄色を選べるまでの、
新品種が生まれて来ています。
胡蝶蘭を人工的に染める技術も生まれ、
青く染めた青い胡蝶蘭、よりキレイな紫色に染めた紫色の胡蝶蘭も生まれました。
胡蝶蘭のバラエティーが増えたことも、
胡蝶蘭の扱いが増えて来たことの、大きな要因と言えるでしょう。
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